本 しっぱいにかんぱい!

秋といえばスポーツの秋、運動会シーズンですが、最近は春に行う学校も多いようですね。

昨年からは運動会も様変わりしてしまいました。
応援の保護者は1名までとか、競技数をしぼり競技中だけ運動場に入れるとか、そもそも運動会を行わない学校も少なくないようです。
それぞれの地域や学校で、都度悩みながらの選択をされていると思います。

しっぱいにかんぱい
宮川ひろ 作/ 小泉るみ子 絵/ 童心社 出版

「しっぱいにかんぱい!」は、運動会で失敗をしてしまった女の子をめぐるお話です。

足が速く毎年リレー選手に選ばれていたお姉ちゃん。
小学校最後の運動会で取り返しの付かないミスをしてしまい、みんなに迷惑をかけてしまいました。
悔しくて悲しくて、申し訳なくて…
落ち込むお姉ちゃんを励ますには、ぼくはどうしたらいいんだろう。
そんな時、おじいちゃんから電話がかかってきてー

失敗は誰でもするし、失敗をしながら成長していくものだと分かってはいるけれど、その時はそうは思えなかったり、直視できないほどつらいこともあると思います。
本当に落ち込んでいる人を慰めたり励ましたりすることって、思いのほか難しいのではないでしょうか。
「しっぱいにかんぱい!」は、こんなにさりげなくすてきな励まし方もあるんだと、しみじみ感じさせてくれます。

最後のおじいちゃんのお話は思わずほろっとさせられ、大人が読んでも(大人だからこそかもしれませんが)心にしみるお話です。